オーソモレキュラー栄養療法とは?
オーソモレキュラー栄養療法(orthomolecular medicine)は、日本では「栄養療法」「分子栄養学」「分子整合栄養医学」とも呼ばれ、栄養素<適切な食事やサプリメント・点滴、糖質コントロール>を用いて、私たちの身体を構成する約60兆個の細胞の働きを向上させて、人間が本来持っている自然治癒力を高め、さまざまな病気を治す療法です。
栄養の代謝に伴う生化学的な考え方をベースとし、薬ではなく、身体(細胞)が必要とする“分子=栄養素”を補うことで、体内の細胞を修復・活性化し、心と身体の健康を取り戻すことが目的です。
当院では採血によって血液中に不足した栄養素を診断し、一般的な血液検査では正常と診断される数値も、オーソモレキュラーの診断では栄養素不足という診断になります。正常値というのは、病気を発症しない値ですが、それは個人の身体の状態により異なります。
こんな方におすすめ
オーソモレキュラー栄養療法のメリット
オーソモレキュラー栄養療法は、薬を使わずに、栄養素を補充することで、身体が本来持っている自然治癒力や本来の働きを回復して効果をあげるものです。
薬と違い、副作用などの悪影響が一切なく、不調や病気の根本的な治療であることがメリットです。
例えば、生活習慣病といわれる高血圧や糖尿病、高脂血症などの多くは、内臓脂肪の異常な肥大が原因です。
つまり、内臓脂肪が出すさまざまなホルモン様物質や炎症のもとになる物質が病気の原因になっています。内臓脂肪を減らすような効果的なやせ方が出来れば、多くの問題が解決します。
内臓脂肪を増やすのはインスリン、インスリンの分泌を増やすのは血糖値の上昇、だから血糖値を上げないようなものを食べればよく、実際に正しい食事療法をしていただくと、驚くほど短期間で効果が上がります。
オーソモレキュラー栄養療法の効果
医師の中にはまだまだ栄養療法やサプリメントは効果がないというイメージを持っている人が多いのが現状ですが、それは大きな誤解です。医学部では栄養療法は授業にありません。栄養士でもない限り、食事や栄養素の知識はオーソモレキュラーなどを勉強していない医師にはほとんどないのです。栄養療法は西洋医学と相反する治療ではありません。体の仕組みや病気の原因を基本にして問題を解決しようとしているという原理は同じで、アプローチの仕方が違うだけです。
例えば、木の根元に病原菌が巣くっているとします。枯れてきた葉っぱや枝を刈り取ってもどんどん木全体の力は弱り、また新しい場所の枝葉が枯れていきます。木の根元の病原菌をなんとかしない限り、葉っぱや枝は正常には戻りません。人間の身体も実はこの木と同じです。人間は膨大な数の細胞でできている、1つの大きなシステムです。身体に何か不調があったとします。
血圧が上がる、湿疹が出る、髪の毛が抜ける、疲労がとれない、血液検査では血糖値やコレステロールが高いなど、これらの異常は表面に出てきた症状であって、一時的に薬で改善してもその奥にある問題は解決していません。その奥にある原因は精神的ストレス、運動不足、栄養不足、栄養の偏り、便秘、身体に不要な物がたまっている、慢性的な炎症があるなど、さまざまな可能性があります。
この根本的な原因を治療していくことがオーソモレキュラー栄養療法です。
当院のオーソモレキュラー栄養療法の特徴
オーソモレキュラー栄養療法の「3つのコア」
食事、サプリメント、生活習慣
栄養療法とはサプリメントをとるだけではなく、食事、生活環境を整えるという3つのコアから成り立っています。
食事
1つ目のコアは、基本になる“食事“です。 一般にバランスの良いと思われている食事が、その人にとって最適なものではありません。詳細なカウンセリング、血液検査から、その人の状態に応じた基本となる食事内容や方法をお伝えします。重要なことは、腸内環境改善、血糖値の安定化とタンパク質の最適な摂取です。そして身体に良い食べ物をとると同時に、意識して欲しいのが身体に悪い物をとらないということです。食品添加物や人工合成着色料、保存料、重金属などさまざまな不要な物を食事から摂取しないことが重要です。食べる内容とともに、食べ方も重要です。
腸内環境改善
よい栄養素を身体に吸収するには、まずは腸内環境の改善が重要です。私たちが口から食べたものはすべて腸から吸収されて血液に入っていきます。腸の状態が良くないと、栄養素が適切に吸収されないばかりでなく、本来なら吸収されず、排泄するべきであるものが血液を通して身体に入り、たまっていってしまいます。まずは腸内環境を改善するための食事を指導します。
血糖値の安定化
米やパンなどの糖質を摂取することは、血糖値を上昇させます。通常であれば穏やかに上昇し低下しますが、栄養や代謝の乱れがあるときには、通常量の糖質摂取において血糖値が乱高下することになり、急な眠気や倦怠感、体重の増加、甘いものへの渇望、集中力の低下や抑うつ感、不安感、中途覚醒など睡眠のトラブル、動機、頭痛、筋肉のこわばりなどの症状につながります。
タンパク質の最適な摂取
私たちの身体は、骨・軟骨・筋肉・腱などタンパク質が中心となり構成されています。また私たちの身体を機能させ、調節する酵素やホルモン、さらには心の状態を整える神経伝達物質などの多くも、タンパク質が材料となります。身体の中にあるタンパク質は常に入れ替えが行われており、毎日必要十分量を補充することが必要です。通常の食事からのタンパク質量の摂取を増やすことで、胃や腸の不調を感じる場合には、消化酵素を利用し、サプリメントとしてプロテインやアミノ酸を用いて補充することも必要です。
タンパク質代謝の最適化は、オーソモレキュラー栄養療法において最も重要なポイントになります。成長期や妊娠出産などだけでなく、ストレスや炎症、発熱、運動、糖尿病などでもタンパク質の必要量は増大します。
サプリメント・点滴療法
2つ目のコアは、「サプリメント・点滴療法」です。サプリメントがコンビニやドラッグストアで売られるようになり、日常で利用する人が増えました。多くの場合には、食事では足りないものを補充するという目的や、ダイエットやお肌のためになど流行りのものを利用されています。
オーソモレキュラー栄養療法では、不足を補うというだけでなく、栄養素が持っている代謝のトラブルを改善させることを利用するため、高用量が必要になります。ポネレクリニック大阪では、高用量の栄養素を副作用やトラブルなく吸収させ、細胞内で利用するために、医療用に作られたサプリメントを選択します。
またサプリメントだけでは必要な量が賄えない場合や、消化吸収が落ちているときなどは、点滴を用いて栄養素を補充することもあります。即効的に栄養素の効果を得ることができ、食事やサプリメントで足りるようになるまでは効果的な方法です。
サプリメントの選択
詳細な血液検査データに基づき、症状や病態の改善のために必要なサプリメントの種類と量を選択します。摂取できるサプリメントの量やコストを考慮し3~6カ月間、コンスタントにサプリメントを摂取していただきます。
症状の経過や定期的な血液検査により、そのときに最適なサプリメントの種類と量を選択します。栄養素の補充はサプリメントを用いても足りないことがあります。そのような場合には、点滴を用いて栄養素を補充します。
生活習慣
3つ目のコアは、「生活習慣」です。 睡眠や運動、さらには日常のストレスなどは、栄養の代謝に大きく影響します。気温、気圧、湿度などの変化が身体の大きなストレスになることは知られていません。また日常において集中して行っている作業も、知らず知らずのうちにストレスになっていることが多くあります。
いずれのストレスも栄養素の消費量を増やすことになるため、栄養欠乏を引き起こす原因になります。血液検査では、ストレスの影響を知ることができます。 睡眠リズムの確保や一般的なストレスのマネージメントだけでなく、代謝へ影響を及ぼす日常の生活習慣に関わるストレスについても、気づきを提供し、栄養素の消費量を減らすことを重要視します。
栄養のバランスが整うことで、ストレスへの抵抗力が増し、影響を受けにくくなります。そのような状態になったときに、心理的なカウンセリングなどを併用することで、その効果が得やすくなります。
ストレスマネージメントについて
血液検査データ、カウンセリングを評価します。
栄養障害はストレス耐性を下げるため、ストレスの影響を強く受けることになります。
日常生活に潜むストレスを見つけ出し対応する方法を探します。
オーソモレキュラー栄養療法の治療の流れ、期間
初診時は医師のカウンセリング、血液検査による栄養素の診断を行います。おおよそ1時間程度かかります。
2回目の来院時に血液検査の結果をご説明し、血液検査の結果を踏まえて、初回のサプリメントの処方を行います。また、食事指導、生活習慣の改善、ストレスマネージメントなどのカウンセリングも同時に行います。
初回にとっていただいたサプリメントの効果を判定します。追加のサプリメントや点滴の必要性を判断します。治療に必要な治療期間は3~6ヶ月ですので、定期的にご来院の検査と調整をおすすめです。
オーソモレキュラー栄養療法費用について
項 目 | 料 金 |
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カウンセリング・医師による診察 | ¥6,600 |
オーソモレキュラー採血 (栄養分析付) | ¥24,200 |
※料金は税込です。